大人ピアノ教室の脳への効果とは:さくらOne 八王子ピアノブログ

八王子のピアノ女子昔も今も習い事の王道と言えばピアノ教室。

ピアノを習うことが成長期の子供にもたらす効果が、脳科学の側面から裏付けられ研究結果の数々が発表されています。

例えば、テレビでもおなじみ、脳科学者の澤口俊之先生(人間性脳科学研究所所長、武蔵野学院大学・大学院教授)が、「子供の習い事はピアノ教室に限る!」と断言した話は今や有名で、その話を聞いて「よし、子供にピアノを習わせよう」と考えた親御さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながらピアノを弾くことは、子供の脳だけではなく、大人の脳にも素晴らしい作用をもたらすということをご存知でしたでしょうか。目・脳・手・耳をフルに活用するのがピアノ演奏ですが、ピアノ演奏という行為をいくつかの視点で分解してみてみると、脳に効果的に作用するそのメカニズムが明らかになります。

ピアノ教室で指を動かすことが脳にもたらす効果

ピアノを弾くときの主な運動が、「指を動かして鍵盤を叩く」と言う行為です。
昔から、手先が器用な人は頭がいい、という通説がありますね。指を使う運動で刺激されることで脳の働きが活性化されるというのです。またそれにより、物忘れを克服できる、痴呆の予防ができると言われています。

指は繊細な動きを必要とするため神経細胞が細かく張り巡らされており、それが脳へとつながっています。そのため、手や指先を動かすことで脳の広範囲へ多くの刺激が与えられるのです。
アメリカ及びカナダの脳神経外科医ワイルダー・ベンフィールドの実験によると、脳の中で体の動きを司る前頭葉の中の運動野のうち、手指の動きに関する神経細胞が占める割合が1/4もあることがわかったそうです。

さらに、脳に良い指先の運動の条件とは
・両手を同時に運動させる
・指を素早く運動させる
・普段使わないような指の動きをする
・指先の感覚に神経を尖らせる
ことだと言われていますので、ピアノを弾く動作がこれにぴったり当てはまります。
似た動きに、コンピューターのキーボードを叩く動作がありますが、ピアノの鍵盤を叩くのとコンピューターのキーボードを叩くのとは何が違うのでしょうか。
まず、10本の指をすべて使う、しかも一本一本の指を独立させた動きとして意識的にコントロールし使うというのは、ピアノ以外にあまりない指の動かし方ですし、ある決まったリズムやテンポに沿って指を動かさなくてはいけないというのもピアノ特有の指の使い方です。
そのように指一本一本を緻密にコントロールして動かすこと、また楽曲の演奏を実現させるために何回も繰り返し練習することで、脳に良い「指を動かす」と言う動作を継続して行うこととなり、指にも脳にも血が巡ります。
だから、ピアノ演奏の指の動きは脳の機能が活性化されるために特に効果的であるのです。

読譜と、演奏、演奏した音を聴くことのサイクルで鍛えられる脳の機能

ピアノを実際に演奏するときの一連のプロセスを追ってみましょう。
まず、ピアノを弾くために必要な能力として、読譜力があります。
読譜力とは、楽譜に書かれている音符の音の長さ、音の高さ、リズムや演奏指示を読み取る力のことです。
それら楽譜から読み取った情報を脳で処理し、指を動かす運動神経で伝え打鍵します。
さらに、発せられた音を耳さで聞き、正しい処理か確かめて調整する、とここまでのサイクルをひたすら繰り返すことがピアノ演奏となります。

まず脳の機能と役割をひととおりみてみましょう。

脳の大脳皮質と呼ばれる部分は、以下の部位に分類されます。
・前頭葉 水色の部分 思考や創造性を担い、脳全体を統制する前頭前野と、運動野、運動前野にわかれる
・頭頂葉 黄色の部分 痛み、温度の感覚、圧力の感覚を司る
・側頭葉 緑色の部分 聴覚、嗅覚、情緒や情動を司る
・後頭葉 ピンク色の部分 視覚を司る

では実際にピアノを弾いている間、脳はどうなっているのでしょうか。
目で楽譜を追うことで、視覚を司る後頭葉が働きます。目から入った情報を動きに変換する上頭頂小葉を経由し、運動能力を司る運動野から手に運動の指令が出ます。打鍵をした後、その音を耳で聞き側頭葉の聴覚野でそれを知覚し、もうちょっと強い音がいい、まろやかな音がいいなど音に対する微修正をするべく、また運動野から指令を出します。奏でた音楽を聴き情動を司る側頭葉も刺激されます。
これらの一連の演奏に関する運動を、学習機能を司る海馬や大脳皮質が記憶します。このとき前頭前野もすべての機能を統制する役割としてはたらきます。
このように、ピアノを弾くことで脳の大部分が連動して動いているのがわかるでしょう。 脳全体をバランスよくつかい、それぞれの神経ネットワークを構築して、脳神経回路を強化します。

ピアノを弾くためにはこのインプットとアウトプットのプロセスを瞬間的に行い、脳を高速回転させます。またリアルタイムで音を紡いでいくという処理を続けることで長時間その状態が持続します。これは俗にいう「脳トレ」を演奏時間中継続して行っていることと同義で、脳機能 脳の働きを高めるために最も適したプロセスなのです。

さらにピアノを弾くときは、楽譜の情報は実際に弾いている音よりも少し先読みします。今弾いている音より少し先の音を予め読み取っておき、記憶し、次の運動の準備をするためです。その先読みした情報を保持しながら処理することをワーキングメモリーと呼びます。ワーキングメモリーとは、短い間だけ一時的に物事を記憶する機能のことです。作業記憶とも言います。ワーキングメモリーの能力が高いと、違う動作や違う思考を同時進行で行うマルチタスクが容易にできるのです。
この機能は、楽譜を読みながらピアノを弾くことを繰り返すことで鍛えられます。

「ピアニストの脳を科学する」という著書で有名な古谷晋一博士は、同書の中で「(ピアニストは)感性豊かな芸術家であるとともに、高度な身体能力を持ったアスリートであり、優れた記憶力、ハイスピードで膨大な情報を緻密に処理できる、高度な知性の持ち主」と述べています。
ピアニストの脳はこれらを瞬時に処理するすごい能力を秘めているのですね。

八王子のピアノ教室でピアノを弾いて、脳を鍛え豊かな人生を送る

このように、脳に非常に良い効果をもたらすピアノですが、ピアノを習い事とするのに特におすすめなのは、脳を使う機会が少ない人 例えば、専業主婦など家にいて社会との関わりやコミュニケーションが少なく刺激が少ない人や、家庭や職場の限られたコミュニティで生活していて単調な毎日を送っている人です。
なぜなら、ピアノは前述のように脳に効果的に働く上、家で一人でもできる、空いた時間にできる、自分のペースで進められるので、そのままの生活スタイルでも充分に取り入れ継続できるからです。
また、発表の場を持つことで人とつながることもでき、社会性が広がります。自己実現の場にもなります。精神的な満足が得られるという側面もあります。これらの体験も脳に良い効果をもたらすための材料となるでしょう。
ちょっと想像しただけでも、音楽ができる喜び、それを人と分かち合う喜びを持っている人生は、健康的で文化的で豊かな人生であることがわかりますよね。
八王子のピアノ教室でピアノを弾いて、脳を鍛え、豊かな人生を送りましょう。