クラシック音楽とピアノ:さくらOne 八王子ピアノブログ

クラシック音楽とピアノ

ピアノを習っていると、いろんな曲に挑戦してみたいという意欲が次々に出てくるかもしれません。
Jポップやアニメソング等、普段からよく耳にするメロディーが弾けるようになるのは、とても楽しいことです。

そこで、あえて私がおすすめしたいのは、クラシック音楽です。演奏するだけでなく、ぜひ、隠れた名曲に出会って鑑賞して、興味の幅を広げていただきたいなと感じます。

私は、たとえば1810年にポーランドに生まれた偉大な作曲家兼ピアニスト、ショパンのピアノ曲が、21世紀の今もなお世界中のあらゆる年代のピアノ学習者に愛されていることだけでも十分壮大なロマンを感じます。
しかし、おもしろいのは、西洋の伝統音楽であるクラシック音楽が、ヨーロッパ内で発展するにとどまらず、数々の音楽家・作曲家たちの手により数百年の時を経て変化と進化を繰り返し、どんどん“国際化”していっている点にあると思います。

ひとつ例を挙げるなら、20世紀を迎えた今から100年ほど前には、フランスの作曲家が、なんと日本の蒔絵をモチーフにしたピアノ作品を世に送り出していました。
その作曲家とは、ピアノ曲『月の光』をはじめ、数々の名曲をのこしたドビュッシー。フランス人でありながら、日本の美術が大好きでした。私も彼のコレクションを見る機会に恵まれたことがありますが、浮世絵や文鎮などの、数々のユニークかつみごとな収集品に驚きました。

バッハやモーツァルト、ベートーヴェンの時代にはあり得なかった、日本を含む「海の向こう」との交流は、西洋音楽界においても多様な、そして意外な組み合わせで実現されてきたのです。

<ウクライナの作曲家による、ジャズとクラシックの融合作品>
<ハンガリーの作曲家による、インドネシアの伝統音楽をモチーフにした作品>
<フランスの作曲家による、エジプト風のメロディーを前面に押し出した作品>
<フィンランドの作曲家による、『耳なし芳一』ほか日本の怪談をテーマにした作品>

こういった音楽作品が存在するのを、みなさんはご存じでしたか?
もちろん他にも、一口にクラシック音楽と言えど驚くべき異文化コンビネーションが、ピアノ音楽により体現されています。

なぜ、どういった経緯で、作曲家たちは異国に惹かれ、あるいは影響を受け、それを音楽にしようと思いたったのか。
ピアノに親しんできたら、クラシックのピアノ作品を窓口にしてその背景に広がるものに思いを馳せてみるのも、なかなか楽しいですよ。